自己分析
就職活動をしている人なら、誰でも「自己分析」という言葉を耳にするだろう。巷には自己分析のための書籍があふれているし、大学主催の自己分析セミナーなども開かれている。では、一体自己分析とは何なのだろうか。自己分析は必要なのか、不必要なのか。必要だとすれば、それはなぜか。その点について述べていきたい。
1.自己分析とは何か
自己分析とは、「自分が何者であるかを知ること」である。当たり前のことだが、人はそれぞれみな違う。得意不得意、性格、好き嫌いなど人の個性はまさに十人十色。その個性を明らかにしていく作業が、自己分析である。
2.自己分析は必要か
就職活動に自己分析は必要なのか。私の答えは、「絶対必要」である。
「就職面接では、自己PRと志望動機が言えれば大丈夫」とよく言われる。その2つだけで絶対大丈夫とは言い切れないが、非常に重要であることは間違いない。そこで失敗しないために、自己分析が必要なのである。
面接担当者が自己PRと志望動機を聞くのはなぜか。「この学生に何ができるのか」と「この学生は何がしたいのか」を知りたいからである。しかし、面接担当者が知りたいことが、もう一つある。
それは、「この学生はどんな人なのか」、つまりその人の人柄・性格・個性である。資格や技術を持っていることや、将来の大きな夢を語れることは素晴らしい。けれどもそれだけが知りたいのであれば、わざわざ面接をせずともエントリーシートや履歴書で十分なはずだ。採用とは、これからいっしょに働く仲間を選ぶという企業の重要な仕事である。企業が多額の出費をしてまで何度も面接を繰り返すのは、その学生が仲間としていっしょに働いていける人かどうかを慎重に見極めるためなのである。
以上をまとめると、面接においては、「自分に何ができるのか」「自分は何がしたいのか」そして「自分はどんな人間なのか」、この3点をうまく説明することが求められる。これらを説得力のある言葉で話すためには、自分のことを詳しく知る必要がある。つまり、自己分析が必要なのである。
3.何をすればよいのか
では、どうすれば自分自身を詳しく知ることができるのか。
一つ目の方法は、親しい人に自分のことを聞いてみることだ。友達、恋人、家族など、自分のことをよく知っていると思われる人なら誰でもよい。自分に対して率直にものを言ってくれる人に、例えば以下のような質問をしてみよう。
・よいところ、よい性格
(例)社交的、しっかりもの、英語ができる、など
・よくないところ、よくない性格
(例)頑固、めんどくさがり、など
・向いてそうな仕事
(例)新聞記者、教師、営業マン、など
このような質問を何人かにしていくと、複数の人が同じことを挙げる一方で、自分では気付かない意外な答えが返ってくることがある。「えっ、そんなふうに見えるの!?」と思うかもしれないが、それこそまさに大きな収穫である。
二つ目の方法は、自分自身のこれまでの人生について、「なぜ?」と自問自答することである。就職活動に臨む学生は、少なくとも20年の人生を歩んできている。そしてその20年のうちに、様々な場面で判断・選択をしてきたはずである。なぜその判断を下したのか、なぜそれを選択したのか、改めて考えていくと、自然と自分の個性が見えてくるのだ。
例えば、以下の質問について考えてみよう。
「大学について」
・なぜ大学に進学したのか
・なぜ同志社大学に進学したのか
・なぜ今の学部・学科にしたのか
・なぜ今のゼミを選んだのか(もしくはゼミに入らなかったのか)
「アルバイトについて」
・なぜバイトをしようと思ったのか(思わなかったのか)
・なぜそのバイトにしたのか
・なぜそのバイトを続けているのか(続けていないのか)
「趣味について」
・なぜそれが趣味になったのか(きっかけ)
・なぜそれが今でも趣味なのか
このように突き詰めて考えていくと、自分の個性・性格がだんだんと明らかになってくる。ここで大事なことは、「なぜ?なぜ?なぜ?」と問い続けることである。ひたすら問い続けて、もうこれ以上説明できないところまで一生懸命考えるのだ。そうして自分をよく知った上で面接に臨むのと、自分のことをよく知らないまま面接に臨むのとでは、説得力に大きな違いが出るだろう。
最後に一つ、これは就職面接をする中でしてしまいがちなことだが、自分を必要以上によく見せようとして、きれいごとを言うことに必死になってしまう場合がある。しかし、面接ではきれいごとを言う必要はない。あくまで自分の言葉で、率直に自分の個性を伝えればいいのだ。場合によっては自分のマイナス面を語らなければならないことがあるかもしれないが、それもまたよい機会ではないか。得意不得意、好き嫌いはむしろ明らかにしてしまおう。その上で自分が選ばれたのならば、その職業・職場が向いていると自信を持つことができるし、選ばれなければ向いていないんだとはっきりあきらめがつく。大事なことは自分に合った仕事を選ぶことであって、自分を犠牲にしてまで特定の企業・職種にこだわることはないのだ。その仕事を長く続けようと思うのならば、なおさらである。
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