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同志社ナビ教授インタビュー:浅野健一社会学部教授


浅野 健一(あさの けんいち)教授

今回は社会学部の浅野教授にインタビューしました。同志社大学の教授だけでなく、ジャーナリストとしても様々な活動をしておられます。

プロフィール

基本情報

  • 1948年高松市生まれ
  • 慶應義塾大学経済学部卒
  • 元 共同通信記者
  • 同志社大学社会学部メディア学科教授
  • 新聞学専門
  • 担当科目

  • 「新聞学原論」
  • 「マスメディアの現場」
  • 主な著書紹介

  • 『犯罪報道の犯罪』学陽書房、講談社文庫
  • 『マスコミ報道の犯罪』講談社文庫
  • 『メディア・リンチ』潮出版
  • 『ナヌムの家を訪ねて 従軍慰安婦から学んだ戦争責任』浅野健一ゼミ編、現代人文社
  • 連絡先

  • 研究室:渓水館407号室
  • ホームページ:http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/
  • メールアドレス:asanokenichi@nifty.com
  • Q1.まず、浅野先生の研究内容をお聞かせください。

     大きく分けて二つあります。第一に、人民の知る権利に応えるための表現・報道の自由と、報道される個人や団体の名誉・プライバシーの権利をどのように両立させるか。特に、名誉・プライバシーの侵害が最も多い犯罪報道についての二つの権利の調整について研究しています。第二に、アジアで国境を越えた、平和と人権の真の枠組みをつくるためにはどうしたらいいか。つまり、国際関係論ですね。

    Q2.学生時代の生活について教えてください。

     私は、慶応義塾大学の経済学部出身です。一年生の時は時事英語に関心があって、元新聞記者の先生のゼミをとっていました。クラブは、三田キャンパスという英字新聞会に在籍していました。二年生から新聞研究所というところで学生研究員として三年間学びました。三年生からは、西洋近代社会思想史のゼミをとって、ヘーゲル、マルクス、アダム・スミス等の哲学者や、空想的社会主義から科学的社会主義への変容を学び、近代市民社会がどうやって形成されてきたかを古代から解き明かす、ということを徹底的に勉強しましたね。国家、政府は人民に奉仕すべきだということを学びました。私の先生はとてもリベラルないい人でした。だけど、私は、将来絶対就きたくない職業が大学教授だったんですね(笑)だから、今、大学教授的ではないとかアカデミックではないとよく批判されますが、とても嬉しい。ジャーナリスト失格だって言われたら、つらいけどね。
     慶応義塾はとてもいい大学だと思います。同志社に来た時に、雰囲気が慶応に似てるな、と思いました。今でも過ごしやすい。やはり、福沢諭吉と新島襄が創ったという共通項がありますね。建学の精神が今も生きています。キーワードは国際主義だし、人権、人民の主権でしょ。新島襄先生の、所謂官学ではない、人民のために働く人材を見い出すんだっていう考えですね。そういう意味で私が同志社に来たのも縁ですね。

    Q3.ジャーナリストを志したきっかけは何ですか?

     私が中学三年生のときに、ジョン.F.ケネディー大統領がテキサス州のダラスで暗殺されたんです。その日、アメリカから初めての衛星生中継があって、日本中が見ている中、NHKのワシントン特派員がそのニュースを伝えているんです。それを見て、すごいなぁと。絶対ワシントン特派員になるぞって思ったわけです。
     でも、実は、私はそのニュースを三時間前に知っていたんです。岩国から流れてくるラジオの米軍放送を聞いていたんですね。「John F. Kennedy was assassinated in Dallas!」って。私はそれを高松で聞いたけど、やはりダラスで、現場で見たい!と思いました。それまでも、英語や、文章を書くのは好きだったし、好奇心もいろいろありました。そう考えると、私にとって一番いい職業はジャーナリストかなと。高校三年生の時にAFSで米国へ留学したのも、大学を選んだのも、ジャーナリストになるためにはどうしたらいいかを考えたうえででしたね。

    Q4.同大生へひとことお願いします。

     同志社大学がなぜできたか、ということを絶対に忘れないでほしい。同志社は本当にいい大学です。日本社会全体のレベルを上げるような、民主主義を実現できるような人材を内外のいろいろなところに派遣する、という新島襄先生の考えを理解し、世の中を前向きに変えていこうという志を持って、何が人々のために良いのかを考えてほしい。やはり大学は社会変革に還元していくという責任があります。授業料は高いかもしれないけれど、それでも今の額に押さえられているのは労働者の税金があなた達に使われているからです。そのことを忘れないでほしい。だから、大学は遊ぶためにあると思うのは間違っています。自己満足のためにしてはいけない。自分が大学で学ぶことに恐れを持ってほしい。
     だから私は、学生諸君には、皆意見は違っていいんだけど、やはり議論を戦わせて正しい社会観とか歴史認識とかそういうものを目指していく努力をしてほしい。同志社は、権力から離れて自由な発想ができる、そういう人材をたくさん輩出している大学です。様々な問題が起きたときに対応できる、一人一人の品格ある自由自立の新島精神を大切にしてください。
     それから、同志社は総合大学なのだから、いろんな先生に飛び込んでいってほしいですね。私なんかも新聞学専攻以外の学生が来ると嬉しいし大歓迎です。人と知り合って学ぶ。大学とはそういう場所です。それは先生に限らず、友達、先輩、後輩もです。同志社大学という空間を大事にしてほしい。ここは、努力すれば必ず応えてくれる空間だと思います。
     だから積極性を持って頑張ってください。